こんにちは、七海です。
以前、「超自己流!小説の書き方!【ざっくり手順】」という記事を書いたのですが、そこでは「小説を書く」という段階をめちゃくちゃ割愛しました。
なので今回は「小説(本文)を書く」ことについて、掘り下げて見ていきます。
ぶっちゃけ私も独学なのですが。(おい)
というか小説の書き方にルールはあまりないんです。(こら)
……ルールはあまりないんですが、それでも最低限守った方がいいであろう書き方・規則が存在します。ということで、簡単な文章作法のお話です。
※ここで取り扱っている文章作法は、一部をのぞいてこれが「絶対に正しい」というものではありません。一般的に用いられている禁則や文章の規則を紹介しています。
句読点(。、)を適切に使う
日本語の文章を書く上で、必ず目にする句点(。)と読点(、)。
句点は、ひとつの文章の最後に打たれるものです。
読点は、文章の途中に打つ記号です。
小説を書くとき、2つの記号をきちんと使いましょう。
という声が聞こえてきそうですが、とても大事なことなので書いておきます。
句読点の話は本格的に始めると長いので、別の記事で詳しく書いています。
段落のはじめは一文字ぶんあける
ブログでは行の先頭をつめて書くことが多いですが、小説や作文などは、段落の先頭(行頭)を1文字あけるのが原則です。
ちょっと例文作ってみました。
朝七時。目覚まし時計が騒ぎだす。布団の中から手だけをぬうっと出した私は、スイッチがあるであろうあたりを乱暴に叩いた。目覚まし時計が騒ぐのをやめる。
ほんの少し、布団から顔を出してみた。空気はまだ冷え冷えとしている。布団のぬくもりが、隙間から逃げてゆく。空気の刃は、怠惰(たいだ)な人間を震えさせた。慌てて布団をかぶりなおす。
ああ、暖かい。まだここにいたい。けれど、起きなければ学校に遅刻してしまう。
う、いかん。いつもの「地の文(風景の描写や人物の行動など)」を長々と書くくせが出ている……。
それはともかく、段落の先頭をあけずに書くとこんな感じです。ブログだと、別に問題ないように見えますが、小説ではNG。
朝七時。目覚まし時計が騒ぎだす。布団の中から手だけをぬうっと出した私は、スイッチがあるであろうあたりを乱暴に叩いた。目覚まし時計が騒ぐのをやめる。
ほんの少し、布団から顔を出してみた。空気はまだ冷え冷えとしている。布団のぬくもりが、布団のぬくもりが、隙間から逃げてゆく。空気の刃は、怠惰(たいだ)な人間を震えさせた。慌てて布団をかぶりなおす。
ああ、暖かい。まだここにいたい。けれど、起きなければ学校に遅刻してしまう。
正しい書き方が上の例になります。教科書などを見てもこんな感じになっていますよね。
文章の先頭をあけることを字下げといいます。段落の最初の字下げを忘れないようにしましょう。
あ、ただし、「」や()が段落の先頭にくる場合は、字下げは必要ありません。
疑問符(?)感嘆符(!)の扱い方
みんな大好き感嘆符「!」と疑問符「?」の使い方です。
!と?の後は一文字あける
「あんたたち、いつまでふざけてるの?授業、始まるわよ!」
「あんたたち、いつまでふざけてるの? 授業、始まるわよ!」
文中の感嘆符や疑問符の後は一文字ぶんあけましょう。上の例(下手な例ですみません)も、良い例の方が見やすいですよね。
ただし、良い例にあるように、閉じかっこ(」、や)のこと)の前に感嘆符や疑問符が来る場合は、間隔はあけなくていいです。
二重感嘆符(!!)、感嘆疑問符(!?)は半角にする
漫画でよく使われるだけでなく、小説でもしばしば見かけるようになったこの二つ「!!」「!?」。それぞれ、「二重感嘆符」「感嘆疑問符」というようです。
ネット小説などを見ていると、よく「!!」「!?」のように全角で使われていますが、半角で使用するのが正しいです。
使いすぎない
疑問符や感嘆符は便利な記号ですが、使いすぎないようにしましょう。小説では地の文の描写で、いくらでも驚きや感動の程度を伝えることができます。
「!」や「?」はスパイスくらいに思っておくといいでしょう。
あと、漫画ではよくある「!!!」なども、小説では避けた方がいいです。感嘆符を重ねるのは二つまでにしておきましょうね。
三点リーダ(…)とダッシュ(―)は二つつなげて使う。
三点リーダとダッシュは、……や――のように、二つつなげて使うようにしましょう。
例文を用意してみました。
「どうします? ここ、行き止まりみたいですけど」
男は、数日そっていない髭をなでながら、いかめしい旅人を振り返った。カロクはわずかに目を伏せた後、ほどなくして男に尋ねる。
「ほかに道はあるのか」
「へえ、一応…。ですがあっちには、神経質な地竜の巣がありますぜ」
「構わん。その道を教えろ」
カロクの眼光は鋭いまま、表情は冷たいままである。男は内心びくびくしながら――しかし、表情にはおびえを一切出さずに――「わかりましたよ」と答えた。元来た道を戻り、案内人としての仕事を再開したのである。
「どうします? ここ、行き止まりみたいですけど」
男は、数日そっていない髭をなでながら、いかめしい旅人を振り返った。カロクはわずかに目を伏せた後、ほどなくして男に尋ねる。
「ほかに道はあるのか」
「へえ、一応……。ですがあっちには、神経質な地竜の巣がありますぜ」
「構わん。その道を教えろ」
カロクの眼光は鋭いまま、表情は冷たいままである。男は内心びくびくしながら――しかし、表情にはおびえを一切出さずに――「わかりましたよ」と答えた。元来た道を戻り、案内人としての仕事を再開したのである。
長いっ!
長いけど、どうしても、三点リーダもダッシュも使いたかったんだっ!!
どちらの記号も、小説では必ず二つつなげて使いましょう。……その方が、間があいてる感ありますよね。
漫画では、三点リーダは一つで使われることも多いです。ダッシュは漫画でも二つつなげて使われています。写植などの都合かもしれませんが、詳しい理由は私も知りません。(すみません)
また、三点リーダ等を2つ以上使う場合も必ず、偶数文字つなげて使うようにします。
4つ(…………)、6つ(………………)など。
六つは行きすぎですね。疑問符、感嘆符と同じです。使いすぎないようにしましょう。
特にダッシュは雰囲気でテキトーに使いがちですので、気をつけましょうね(経験者は語る)
余談:ダッシュはかっこの代わりにもなる
ダッシュはかっこ(主に丸かっこ)の代用にもなります。
上の例文のこの部分がそうですね。
男は内心びくびくしながら――しかし、表情にはおびえを一切出さずに――「わかりましたよ」と答えた。
――で挟んである部分は、()に置きかえるとこうなります。
男は内心びくびくしながら(しかし、表情にはおびえを一切出さずに)「わかりましたよ」と答えた。
意外と便利なので、機会があったら使ってみてください。
常体と敬体はどちらか一方に統一する
最後は、地の文の文末のお話です。
まず、いきなり出てきた難しい言葉の解説から。
常体:文末に「だ・である」を使う文体
敬体:文末に「です・ます」を使う文体
この常体と敬体は、小説の場合、どちらを使っても大丈夫です。作者の好みや話の雰囲気で決めましょう。
ただし、どちらを使うにしても、どちらか一方に統一しましょう。
ひとつの話の中に「~である。」という地の文と「~です。」という地の文が混在していたら、すごくややこしいですからね。
まとめ
今回は、小説を書くときの文章作法のお話でした。ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
ここで紹介したことを意識するだけでも、文章がぐっと読みやすくなると思います。小説に限らず、なにか書くときは気をつけてみましょう。
もちろん、自分にも言っています。
それでは、今回はこの辺で。
七海でした!