こんにちは、七海です。
今回は初心に帰って、句読点の使い方についてまじめに復習しようと思います。
小説を書くときの文章作法のことを書いた記事で、「句読点のことは別の記事にまとめます!」と書いたので、さっそく有言実行していきますね。
読点の使い方
読点(、)は文章の途中の区切りに打つ約物です。
約物(やくもの):文字や数字と組み合わせて使う記号のこと
読点の打ち方や打つ場所については、そこまで細かいルールはありません。
私、は猫が大、好きだ
のような、よっぽど変な打ち方さえしなければ、一文中にいくつ使ってもよいのです。が、やはりどこにどれだけ打つかは悩みどころですね。
以下にざっと例を挙げてみました。
漢字・ひらがなの区切りに打つ
- 来週新しくできたカフェに行くことになった。
- 来週、新しくできたカフェに行くことになった。
上が読点なしの文章、下が読点ありの文章です。
読点があった方が目で読むにも読みやすいですし、音読するのも楽そうですね。
長い主語を区切るために打つ
お隣さんの庭先にしばしば不法侵入している猫が、私の方をじっと見ていた。
この文章の主語は、「お隣さんの庭先にしばしば不法侵入している猫」です。長すぎて嫌になりそうな主語ですが、小説なんかだと、こういう表現も見かけます。
ただでさえ長くて嫌になりそうなので、せめて読点だけは打っておきましょう。黙読するにも音読するにも、読点があった方が読みやすいですよね。
主語・述語が複数あるときの区切りに打つ
少女は花をながめ、私は四葉のクローバーを探した。
「少女は……ながめ」「私は……探した」という、一文に二つの主語・述語が入っている文章です。(重文といいます)
重文とはつまり、一つの文章のなかに、さらっと二つの文が入っている形です。文の区切りに、読点を打った方がいいです。
「少女は花をながめ私は四葉のクローバーを探した。」となると、一瞬「?」になりそうですよね。
複数の意味に解釈できる文章を区別する
タイトルだけだとなんのこっちゃという感じですね。少し例を見てみましょう。
私は文庫本を閉じてあくびをする木村さんを見やった。
この文章だと、文庫本を閉じたのが「私」なのか「木村さん」なのかわかりません。
読点を打ってみましょう。
私は文庫本を閉じて、あくびをする木村さんを見やった。
「文庫本を閉じて」の後に読点を打つと、文庫本を閉じた「私」があくびをする「木村さん」を見た感じになります。
文庫本を持っているのは「私」です。
私は、文庫本を閉じてあくびをする木村さんを見やった。
次に、「私は」の後に読点を打つと、あら不思議、文庫本を持っているのが「木村さん」になります。
文庫本をパタンと閉じてからあくびをした「木村さん」を「私」が見た、と読めます。
どちらも正解です。というか、どちらが正解かは文脈によって異なります。
このように、読点を打つ箇所によって意味の解釈が変わってしまう文章には、注意が必要です。書き手の意図が読者にきちんと伝わるように、気をつけて読点を使いましょう。
接続詞の後に打つ
そして、カラスは飛び立った。
「そして」、「だが」、「しかしながら」、「その上」、等々……。
文と文をつなぐ接続詞の後には、読点を打つことが多いです。打たないこともありますが。
そこは、文章を読み直してから、全体のバランスを見て判断するといいでしょう。
句点の使い方、あるいはルール
句点は、文末を示す約物です。←この「。」です
文末に打つ。と決まっているので、読点ほど多くの使い方はありません。
ただ、ルールがいくつかあるので、復習していきます。
閉じかっこの前には句点を打たない(公文書・教科書などは例外)
×:「タマ、こっちにおいで。」
○:「タマ、こっちにおいで」
現在では、閉じかっこの直前には句点を打たないのが正しいと言われているようです。
ただ、国が定めた基準では、文章の終わりには必ず句点を打つことになっています。
なので、教科書や公文書の場合には、閉じかっこの前にも句点が打ってあります。
現在では、閉じかっこが文末を示すことが明確なので、一般の出版物――小説や雑誌などでは、閉じかっこの前には句点をつけないことになっています。
かっこの後に読点をつける場合、かっこの前に読点をつける場合
引用先などを示す場合は、かっこの前に句点をつけます。
芸術は永遠、興亡は一瞬。(王都炎上 アルスラーン戦記1、75ページ)
注釈などを示すときには、閉じかっこの外側に句点を打ちます。
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「!」「?」などの後に句点を打たない
×:そんなの聞いてないよ!。
○:そんなの聞いてないよ!
感嘆符(!)と疑問符(?)の後には句点は打ちません。二重感嘆符や感嘆疑問符の場合も、同様です。
句読点、正しく使えているかな……。不安になったら、文章を声に出して読んでみよう
句読点、ことに読点は、上手に使えているかがわからないときもあります。
そういうときは、書き上がった文章を声に出して読んでみましょう。
声に出して読みやすければ、OKです。
読みにくい……と思ったときには、句読点がちゃんと使えているか見なおしてみましょう。
特に読点の場合、「息つぎしたいな」と思ったところに打つといいですよ。
まとめ
今回は、句読点の使い方について少し掘り下げてみました。ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
読みやすい文章を書くためには、句読点を上手に使うことが大事になってきます。少しでも読みやすい文章を書けるよう、頭の隅っこで意識してみましょう。
意識しすぎるとしんどいので、まずは頭の隅っこから始めましょう。
ブログを書いてる私にも言えることですね。いっそう気をつけます。
それでは、今回はこのへんで。
七海でした!